眠れるようになるにはどうしたら良いのでしょうか?
どのくらいの人が眠れなくて悩まされているのでしょうか? 厚生労働省の調査によると、日本人のおよそ20%の方が眠れないことで悩まされているというデータがあるそうです。眠れないことは決して珍しいことではありません。眠れない人は眠りにつくことも、眠り続けることも難しいと感じています。また、精神的にも肉体的にも影響を与え、昼間の眠気、倦怠感、体調不調、気分変動、気持ちの過敏性、不安などを引き起こすことがあります。
原因は?
「眠れない」は、身体的要因や心理的要因によって引き起こされます。
時差ぼけ、転職、気温の極端な変化、環境騒音
ストレス、不安、過労や疲れすぎている、心配事で眠れない、不安障害、うつ病などのメンタルの不調
慢性疼痛、慢性疲労症候群、逆流性食道炎、喘息、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症(うつとの鑑別が難しい)、鉄欠乏性貧血の疲れなど
症状は?
不眠症に関連した多くの兆候や症状があります。
- 夜に眠りに落ちるのが難しい。
- 夜中に起きてしまう。
- 思ったより早く目が覚める。
- 夜ぐっすり寝ても翌朝まだ疲れを感じる。
- 日中の疲労感や眠気。
- 過敏性、うつ病、不安。
- 集中力がすぐれない。
- エラーや事故の増加。
- 緊張性頭痛。
- 社交の難しさ。
- 眠りに対する心配。
睡眠不足に悩まされている方は、目覚めてもリフレッシュしていないように感じて、一日を通して疲れや眠気を感じるかもしれません。睡眠不足が続く方は、問題に集中することに一般に困難が生じる事が多いです。
在宅での対応は?
一日のみや短期間のみ眠れないのであれば、対応は必要ないかもしれません。しかし、週に何日も眠れない事が続く場合は、しかるべき対策が必要となります。眠れないことの原因がおおよそ特定されれば、根本的な原因が扱われるか、原因がなくなれば解消します。いったん、眠れない原因が特定されれば、修正できます。眠れない方が、在宅ですると良いことは以下の通りです。
睡眠を自分に強制しない、夜に刺激物を摂取しない、快適な睡眠環境を確保するなど
例えば、瞑想や筋肉や呼吸のリラクゼーションを用いる
眠くなったら寝る。それまでは、別室でテレビを見たり、読書をしたりする。ベッドの中で心配してはいけません。ベッドの中での眠れないことへの苦痛は、睡眠に対する苦手意識を高めてしまいます。苦手と思うと緊張して、かえって不眠は悪化することになります。
ベッドで過ごす時間を逆に減らし、翌日の夜に備えて疲労感を増す。これは眠りすぎているから眠れないという人に効果があるかもしれません。この方法は、気持ちに余裕のできた治療の中盤以降で行ってください、くれぐれもストレスの強い時期や、不眠の初期に無理をしないようにしてください。例えば、一ヶ月前の疲れやストレスで、一時的に普段より睡眠時間を多く必要とする場合があります。ただし、長時間の睡眠が必要な方もいらっしゃいます。この場合には、睡眠制限が逆効果となることがあります。自分がどちらなのかは専門家にご確認ください
不眠症になったことのない人から「朝きちんと起きて、夜きちんとした時間にベッドに入ることが大切」と言われたことはありませんか?実はこれは不眠症の人にはかなりハードルが高いことなのです。一般的にいう夜型の人、日中の覚醒度が抑うつ状態やストレスなどの何らかの原因によってあがらない人など、『頭ではわかっていても出来ないから困っている』と言う方が非常に多いのが現状です。背景に過眠症(昼間も眠い、集中力が低下している)が合併する事もあります。睡眠は自分の体でありながら、自分自身でコントロールすることが難しい事もあります
実際のところは自分自身で治すのは難しい場合も
実際のところ、原因はわかったとしても、『ストレスになる対人関係はすぐには解消できないのでなにか役に立つ考え方はないのか』『大きな目標のためには自分を無理させないといけない』『いや、これ以上生活レベルを落とすわけにいかないから頑張らないといけない』等々の色々な思いがあり、原因がわかったとしても簡単には解消されていかない事も多いです。
このような時には、眠れないで疲れ、心も身体も弱り、自分を見つめ直すことや新たな改善策を模索することはなかなか困難な状態になりやすいでしょう。眠れないことの背景に、うつ病や不安障害が隠れている事も少なくありません。
心療内科に相談し、自分の状態を今より少し見つめ直し、必要な場合には睡眠薬(最近では、睡眠薬も多種多様で種類も増えてきています)を服用する。そうすることで心と身体の良いスパイラルが生まれてくる場合が少なくありません。眠れないでお悩みの方、ねむりのリズムが整わない方も、一人で無理をせず、一人で悩み過ぎず、専門家にご相談ください。
眠れない、昼間の眠気にお困りの方は、当院へご相談ください。