セロトニンは不安、焦り、緊張、動悸、パニック障害、対人緊張、落ち込み、不眠、強迫症状、過去のイヤなことを繰り返し思い出す、感情の起伏がコントロールしにくいなどの症状を改善し、リラックスする作用、安心する作用を持っていると考えられています。
ストレスや疲労によりセロトニンは低下し、一旦低下するとさらにストレスと疲労が増えることになってしまいます。その状態では考えすぎることが止まらなくなり疲弊し、具合の良い状態から意図せず遠のいてしまいます。
ここに低セロトニン症候群の症状をあげます
不眠
- 寝ようとするが色々と考えてしまい寝付けない
- 寝ようとするが緊張してさえてしまって寝付けない
- 途中で目が覚める
- 早朝に目が覚める
- ゆっくりと深く眠った気がしない
不安
- 最近、心配症になった
- 何をみても心配になる
- 別に理由や原因はないが、不安である
- ゆったりとリラックスすることは最近なくなった
- 生きていることが楽だと感じる時間が無くなった
過敏、受け入れらない
- 愚痴が多い。または愚痴を言うとスッキリする
- 最近、些細なことでもイライラする
- やさしく出来ないことが増えた
- 感じやすく、感情の起伏がいつもよりは激しい
- 些細な欠点が気になり、本人には大問題に感じる
- 聴覚過敏、視覚過敏
- 人に誘われても、負担に感じてしまう
- 人を以前より信用できなくなった
- 最近、間違っていることが許せなくなり人に厳しい
恐怖
- 動悸がする、呼吸がうまくできない
- 心臓が重い病気になったと感じ命の危険を感じる
- 外出するのが怖い
- 夢を見るとき、悪夢が多い
不自由
- 人混みは苦手、緊張する
- 電車の乗るのが怖い
- 閉所は怖い
焦り
- 胸がドキドキする、胸が締め付けられる
- 混乱してなにか空回りしてしまう、頭がまとまらない
- 期限がせまって焦って落ち着かない
- 周囲からのプレッシャーを感じる
- 自分でもプレッシャーをかけているのかもしれない
- あれもこれも早いうちにやり終えなければいけない
欲求
- 買い物したい、たくさん食べすぎてしまうなど衝動が強い
- もう忙しくてギリギリの状態であるが、まだ頑張りたい
罪悪感、自己否定感
- 私は何もできない、いいところがない
- 自分の欠点ばかり考える
- 人の期待に応えられないと過度に気にする
- 過去を思い出して後悔する時間が多くなった
落ち込み
- うまくいかないという気持ちになることが増えた
- 急に涙が出てしまう
こだわり
- カギを閉めたか、ガスの元栓を閉めたかが気になり何回も確認する
- 手を必要以上の時間洗わないと気が済まない
- 些細なことでも頭に残って気にし続けてしまう
- 過去のイヤなことを繰り返し思い出し、一度思い出すと頭から離れない
このような症状が脳内の神経伝達物質であるセロトニンの低下により生じます。徐々に自分の理想通りにうまく行かなくなるような感覚になり、不安で焦るようになります。理想通りに、もっと頑張らなきゃと思いますが、うまく行かなくなってしまったような落ち込む状態です。頑張りたいのにどうにもならないと言う感じです。他者にたいして自然と馴染んでいる感覚が薄れます。外出には恐怖感が伴います。
このような状態では、一旦理想通りにやるという強い思いを和らげるために、そこからこころの距離を今よりも離すことが必要です。一旦思い詰めて頑張ってきたつらい気持ちを低下させる必要があります。一番の良い例は休養です。例えば仕事から離れることで張りつめた気持ちを緩めると良いと思います。ただし、ただゴロゴロしているだけでは緊張は取れません。リラックスしてゴロゴロと過ごすことで緊張がほぐれます。しかし、自分自身の力ではリラックスできなくなっているのが、低セロトニン症候群です。
セロトニンには大脳の働きを増進し理性を高め、原始脳が働きすぎることによって起きる恐怖や怒りの感情の暴走を低減します。また、こだわりや執着を軽減し楽な気持ちになることが出来ます。セロトニンが低下すると不安感や過敏性に支配され自分ではどうすることも出来なくなってしまいます。その環境から長期間離れるしかありません。出来るだけ早く症状を改善するにはセロトニンを補充することが有効です。それが抗うつ薬です。最近の抗うつ薬は格段に進歩しています。効果発現には用量の調整が必要です。また十分な効果を得るためには用量の微調整が必要になります。
日本橋茅場町こころのクリニックでは、適切な抗うつ薬を処方し、豊富な経験を生かして用量の微調整まで致します。ご自身が低セロトニン症候群に当てはまるかもしれないという方は当院までご相談ください。