パニック障害とは?
パニック障害とは、動悸や息切れなどのとても苦しい症状が突然に起こる、強い不安を伴う発作のことです。
性格の明るい方が急に発作におそわれることがあり、その症状が心臓や肺などの命に関わる重要な臓器に生じることから、「死の恐怖」を感じるほど苦しい状態と言われています。一度でも発作が起きると、また発作が起こるのではないか、という強い不安が持続してしまいます。
パニック障害が起こりやすい場面
パニック障害は、満員電車や広場でのイベント中など、人がたくさんいる中で起こりやすいといわれています。パニック障害が起こりやすい主な場所をご紹介します。
- 電車やバスなどの人がたくさんいる交通機関に乗っているとき
- 会社での会議中
- 緊張感が解けてホッとしたとき
- 以前にパニック障害を起こした場所
- 自動車の運転中
- トンネルの中
- エレベータの中
- 一人での留守番
- 一人での外出
- スーパーのレジなどでの行列
何の原因がなくとも、突然にパニック障害が発症することもあります。
パニック障害が起こりやすい生活の出来事
パニック障害は、場所だけでなく、次のような生活の出来事が重なることで、より発症しやすいといわれています。
- 疲れていて体調がよくないとき
- 緊張しているとき
- 炎天下の労働や激しいスポーツ
- 寝不足・徹夜・風邪
- 精神的緊張
- 夏や梅雨の高温多湿
- カフェインやアルコール、ニコチンの摂取
- パニック障害が起きることの予期不安
主な症状
パニック障害が発症すると、死の恐怖を感じる人がいます。これがトラウマとなり、「またパニック障害が起こるのではないか」といった恐怖心によって、またパニック障害が起こることがあります。例えば
- 自動車の運転中にパニック障害が起きるのではないか
- 学校に行ったらパニック障害が起きるのではないか
そういった不安によって、行動ができなくなり、生活に支障をきたしてくることがあります。このように、パニック障害は、うつ病との合併症がよく見られます。
広場恐怖
公園の広場、イベント会場、駅のホームなど、人込みに恐怖心を抱くことを、「広場恐怖」といいます。
- 発作が生じたら助けてもらえないのではないか
- 安全な場所に逃げ出せないのではないか
- 倒れたら恥ずかしい
こういった恐怖心によって、生活の行動範囲が狭くなり、これも生活や仕事に支障をきたしてきます。
回避行動
公共の乗り物、乗り物の運転、会議などの集まりを避ける行動を取ることを、「回避行動」といいます。これも広場恐怖と同様な不安から生じる行動といえます。
当てはまる症状はございませんか?
次のような症状が突然発症するようなことがあれば、パニック症状が疑われます。
- 心臓がドキドキする
- 汗が異常に出る
- からだが震える
- 息切れがしたり、息苦しさがある
- 喉に何かつまったような窒息感がある
- 胸の痛み、胸のあたりの不快感がある
- 吐き気、おなかのあたりの不快感がある
- めまい、ふらつく感じ、気が遠くなるような感じがする
- 今、起こっていることが、現実でないような感じ、自分が自分でないような感じ(離人症状)がする
- 自分のコントロールを失うこと、または気がくるってしまうのではないかという恐れがある
- このまま死んでしまうのではないかという恐れが出る
- からだの一部がジンジン、ピリピリとしびれる感じがする
- 寒気がする、または熱っぽく感じる
心臓がドキドキしてしまったら、心臓疾患を疑ってしまうのですが、パニック障害であることもありますので、専門家へご相談ください。
狭い意味でのパニック障害
次のような症状のときは、狭義でのパニック障害といえます。
- 上記の症状が、同時に4つ以上おきる
- 症状のピークが10分以内である
- 発作は20分以内で、毎回治まる
(日本精神神経学会監修:DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引き 医学書院 115,2014を参照)
パニック障害は、本人が仕事や学校、生活などのストレスから逃げたりしているのではなく、セロトニンが不足していることが原因です。
お薬
狭義としてのパニック障害でなく、パニック症状の周辺群に属する、自律神経失調症である場合もあります。パニック障害なのか、それとも自律神経失調症なのかによって、対応するお薬の種類が異なってきます。
狭義のパニック障害では、抗うつ薬でもあるセロトニンを補充してあげると、パニック障害が起こりにくくなります。自律神経失調症の場合には、抗不安薬の方が効果的なことが多いです。
メンタルクリニックに相談するタイミング
上でご紹介したような症状が発症し、生活に支障をきたします。そういった症状が1回でも起きたら、いちどメンタルクリニックにご相談ください。
また、「心臓発作かな」と思って内科に相談し、心電図や血圧などを検査して異常が見つからなかったら、メンタルクリニックに相談することをお勧めします。
メンタルクリニックの対応
パニック障害が疑われる方は、メンタルクリニックにご相談ください。パニック障害と診断されたら、パニック症状が出なくなるまで、お薬による治療を行います。即効性の高いお薬では、その日のうちから、効果をご実感いただけます。
「お薬の摂取で治る」ということを本人が受け入れられたら、不安が取り除けるので、パニック障害が治まりやすいです。
当メンタルクリニックでは、パニック障害で苦しむ方の不安を取り除き、安心感を与えることで、症状を緩和していくように、話しやすい雰囲気を作ることを大切にしています。
パニック障害かなと思ったときは、症状が重くなる前に、駅前すぐの日本橋茅場町こころのクリニックにご相談ください。