過眠症とは
過眠症とは、昼間にもかかわらず強い眠気が起こり、生活や仕事に支障をきたす状態のことをいいます。過眠症が発症すると、朝に起きられなくなったり、授業中や会議中に強い眠気に襲われたりします。
過眠症は、脳内の覚醒維持機能の障害や、何らかの原因で夜間の睡眠障害があるとおこりやすいといわれています。
過眠症には、主に次の4種類があります。
ナルコレプシー
まずは、1,000~2,000人に1人しか見られないナルコレプシーといわれる過眠症をご紹介します。世界的に見ても大変に珍しい過眠症の症状で、10代で発症することが多い疾患です。
ナルコレプシーの主な症状としては、日中に強い眠気が生じ、例え会議中であっても、車の運転中であっても突然寝てしまう症状です。特に、感情が高まったときに脱力感が生じ、とても嬉しいときや、とてもびっくりしたときなどにいきなり体の力が抜けてしまうことがあります。
ナルコレプシーの特徴としては、眠る際には入眠時幻覚を見たり、金縛りにあったりすることがあることが多く、30分程度眠れば、目覚めた後は眠気がとれて非常にすっきりした状態になります。
ナルコレプシーには治療薬があり、リタリンやモディオダールが効果的です。
突発性過眠症
ナルコレプシーと似た症状ですが、突発性過眠症という疾患があります。昼間の居眠りが1時間以上続き、眠りから覚めた後もすっきりとしない状態で、眠気が持続してしまいます。
睡眠時間の長さによって2種類のタイプに分けられ、夜間の睡眠時間が平均すると10時間以上になる症状は、長時間睡眠を伴う突発性過眠症といいます。夜間の睡眠平均時間が10時間以下の方は、長時間睡眠を伴わない突発性過眠症と呼ばれています。起立性低血圧やめまいなどの自律神経症状を伴うこともあります。
治療薬として、モディオダールが効果的です。
反復性過眠症
強い眠気が起こる時期が3日~3週間持続し、自然に回復してまったく症状がなくなるが、その後、不定期に強い眠気が繰り返し出現しする症状の過眠症を「反復性過眠症」といいます。この症状は非常に稀な疾患で、初発のほとんどが10代です。女性よりも男性で頻度が高いといわれています。
リーマスやデパケン、テグレトールといった治療薬が有効です。
睡眠不足症候群
生活習慣を改善して、睡眠時間をしっかりと十分に確保すれば、睡眠不足症候群の昼間の眠気の症状は落ち着いてきます。
生活習慣の改善とお薬の併用によって、改善効果が高い場合もあります。例えば会社から帰宅して、すぐに眠らなければ睡眠時間の確保が難しいことがあります。この場合、睡眠薬は規則正しいリズムに戻すために使用することがあります。
会議中に眠くなったり、学生時代から遅刻が多く、社会人になっても改善しない人は、過眠症でなくADHDの覚醒困難の症状である可能性があるので、まずは、メンタルクリニックに受診してください。もし、ADHDが原因であれば過眠症とは別のお薬が有効となります。
過眠症かなと思ったときは、症状が重くなる前に、東京都中央区の日本橋茅場町こころのクリニックにご相談ください。