日本橋茅場町こころのクリニック

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概日リズム睡眠障害(体内時計の睡眠障害)

日本時間と大きくずれた国への海外出張で、体内時計のリズムが狂うことがあります。体内時計のリズムと日本での日中夜間のリズムが合わなく、翌日の生活に支障をきたす睡眠障害を概日リズム睡眠障害といいます。

概日リズム睡眠障害のタイプ

交代勤務による睡眠障害

  • トラックの運転手
  • 医師・看護師
  • 夜間警備
  • 3交代制勤務の職場
  • コンビニ
  • パイロットやキャビンアテンダント
  • ITメンテナンス
  • 飲食業

など、交代勤務の職場で働く人に多い睡眠障害です。

勤務の順番に、日勤、準夜勤、深夜といった順番があります。仕事の開始時間を遅らせたシフト制にすると、身体が対応しやすいといわれています。管理職の方は、交代勤務による睡眠障害を軽減するために、日勤の翌日に深夜勤、その翌日に夜勤と予定するなどシフト作成時に工夫が必要です。

睡眠相後退症候群

体内時計が少しずつずれていって、早く寝ようとしても夜中にならないと眠られない。また、朝に目覚まし時計をいくらかけても起きられず、昼過ぎまで起きられなくなることをいいます。

睡眠相後退症候群にかかると、学校の遅刻や登校拒否、会社の出社拒否にもつながり、他人からやる気が足りないのではないか?、だらしが無いのではないか?などという誤解のレッテルをはられて苦しんでいる人もいます。

そういった方には、メラトニンやストラテラ、気分安定剤などのお薬が効果的な場合が多いので、メンタルクリニックにご相談ください。

睡眠相前進症候群

先ほどとは逆に、体内時計が少しずつ前にずれていくために、夕方から眠くなり、早めの時間に寝てしまって、夜中に目が覚めてしまう状態のことをいいます。

睡眠相前進症候群は高齢者に多く、遺伝や生活パターンなどによる家族性で発症することもあります。

深夜や早朝に活動すると、家族や近隣にご迷惑をかけてしまうことがあるので、睡眠薬を上手に利用していくことも、解決の一手になりえます。

非24時間睡眠覚醒症候群

視覚障碍者に多く、起きる時間が毎日1~2時間ずつ遅れていく症状です。若年者に多く、長期休暇などで昼夜逆転生活を送った後に出やすい症状です。

視覚障碍者は、体内時計が朝の光でリセットされないことが原因といわれています。最近では、目が見える人にも見られる症状と言われ始めています。

不規則型睡眠覚醒パターン

これは、一人暮らしのご老人、引きこもりの方などで、ずっと家にいて、昼夜関係なく生活し、睡眠の質が昼夜を問わず不規則になる状態です。本人は悩んでいなくても、こういった症状の人を持った方のご家族が悩むことが多い状態です。

一般的な体内時計の周期は24時間10分といわれています。体内時計に朝だとわかってもらうためには、朝日を浴びることが大切です。逆に夜に光を浴びると、体内時計の昼間が延長されるため、夜に不眠症状が出てきます。

夜に寝やすくするためには、夕方から夜にかけて入浴したり運動したりして、体温を1℃上げることが重要です。その後、体温が下がるときに眠りやすくなります。このような概日リズム睡眠障害(体内時計のずれ)には、メンタルクリニックでの問診での生活習慣の見直しややお薬による手助けをかりることで改善することもありますので、ご相談ください。

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