大人であってもADHDで悩んでいる人が増加していることが分かってきています。経過中に不安障害やうつ病を併発することもあります。そうなると余計に不安や心配、不注意、ミスを周囲から指摘されたり、予定した約束を忘れたりします。思考は遅くなり頭が働かない状態になることもあります。
活発。多動で不注意が多い、次々と思考が移り変わり集中できない

- 過度におしゃべりをする
- 落ち着いて座っていられない
- 忘れ物が多い
- 仕事でのミスが多く、人からよく注意される
- 大切な約束や期日を守れなかった
- 集中して考え事をすることができない
ADHDとは?
ADHDとは、「注意欠如・多動」の略です。ADHDの症状は年齢を重ねていくと治まっていく傾向があると言われていましたが、最近では、大人であってもADHDで悩んでいる人が増加していることが分かってきています。当院でもADHDの方の来院が増えております。
もし、社会人になってから次のようなことで悩んだことがあるならば、もしかしたら大人のADHDかもしれません。
このようなことを感じたことはございませんか?
- 約束の時間や用事を良く忘れる
- 他の人から話しかけられているにもかかわらず、別のことに注意が行く
- 会議などで眠くなったり、席を離れてしまったりすることがある
- 考えがまとまらない
- 集中できない。ボーッとしていると言われる
- 会話の相手が話している途中で話をさえぎってしまい、相手から注意された
- 財布からカードを取り出すのに時間がかかる
- 周囲の人から「話がかみ合わない」と言われることがある
- 仕事のミスが多く、上司から怒られることが他の人よりも多い
- 知らないうちに、人が傷つく言葉を言ってしまうことがある
- なぜか人から嫌われることが多い
ADHDの症状
ADHDの主な症状は、今述べたようなことですが、他にもありますのでご紹介します。
子どもの主な症状
多動性
- 授業中や食事のときなど、座っているときに落ち着いて座っていられない
- 集団行動のときに、おとなしく参加することができない
- 過度におしゃべりをする
衝動性
- 順番を待つことができなかったり、順番待ちにイライラしたりする
- 話し相手が質問をしている途中で、話をさえぎるように答えてしまう
- 他の人がやっていることをさえぎったり、邪魔をしたりしてしまう
不注意
- テストなどで不注意な間違いをよくする
- 集中して考え事をすることができない
- 興味のあること集中しすぎて、切り替えが難しい
- 同じことを繰り返し行うことが苦手
- よく物を失くしたり、忘れてしまったりする
大人の主な症状
多動性
- 落ち着きがない
- 貧乏ゆすりをよくする
衝動性
- 思ったことをすぐに言ってしまい、相手を傷つけてしまう
- 衝動買いをよくする
不注意
- 仕事でのミスが多く、人からよく注意される
- 忘れ物が多い
- 大切な約束や期日を守れなかったり、忘れてしまったりする
- 仕事を順序だてて行ったり、スケジュールを決めることが苦手だったりする
- 机の周りや財布の中身などがいつも散らかっていて整理できない
メンタルクリニックに相談するタイミング
症状の大小にかかわらず、ADHDの症状によって他の人の手をわずらわせていると感じていることがあるかもしれません。ADHDによるトラブルを予防するためには、家族や友達など、他の人の協力が不可欠です。
家庭や職場の人にもADHDのことをご理解いただき、トラブル防止のための手助けを頂くためにも、自分や家族の人がADHDかどうかを知ることが大切です。
お早目に、メンタルクリニックにご相談されることをお勧めいたします。
多動や衝動性がなく注意欠如の方はADDかも
不注意のみが中心の症状で、多動や衝動性が目立たない方をADD(注意障害)ということがあります。ADDの方は、多動や衝動性が目立たないため、周囲からも気づかれにくく、お薬が最も効果的であるのに、メンタルクリニックへの受診が遅れることがあります。
忘れ物が多い、ミスが多いなどでお困りの方は、メンタルクリニックにお早目にご相談ください。
ADHDの治療方法
ADHDの診断は問診が中心となります。幼少期の行動だったり、現在の状態、学校や会社、家庭などでの行動をうかがったりします。診察をして、お薬が必要と判断される場合には、内服治療を行います。ADHDの方では、お薬を飲みだしたその日から、「頭がすっきりした」「仕事に集中できるようになった」など、よくなった自分を実感できる人が多いです。
ADHDは、お薬を摂取して、実は効果が出ていても、患者様ご自身では効果が実感できない場合があります。そういったことからも、周りの人からの観察が大切です。最近、ADHDの症状が悪化したという方の場合は、うつ病を併発している可能性がありますので、見逃さないようにしてうつ病の治療を優先しましょう。
医師はもちろんのこと、周りの人にお薬を摂取することを伝えられる人がいたら、なお治療の効果がご実感いただけます。他のクリニックで改善や効果が見られない方も、諦めずに当クリニックにご相談ください。